
代用の知恵が詰まった布
非常時のふろしき力
『防災アイテムとしてのふろしき』
ふろしきの臨機応変さと簡便さ
ふろしきは昔ながらのアイテムとして親しまれていますが、災害時にも大活躍することをご存じですか?
避難生活では限られた資源や環境の中で快適さや安全を確保しなければなりません。そのための重要な要素は「臨機応変さ」と「簡便さ」。その両方を兼ね備えたアイテムがまさに『ふろしき』です。
今回は、ふろしきの実用性を防災の観点からご紹介したいと思います。

災害時や避難生活では、ふろしきの多機能性を活かして身を守る工夫ができます。
1. 防寒対策
毛布やストール代わり:体に巻いて保温。特に夜間や寒い場所で役立ちます。
即席の衣類:ふろしきを肩や腰に巻いて、防風や防寒をサポートします。




2. 怪我の応急処置
包帯や三角巾として使用:ケガをした手や腕の固定、止血のための包帯として使えます。
傷口の保護:清潔なふろしきを使って傷を覆い、感染を防ぎます。



3. 頭部や顔の保護
マスクの代わりに:粉塵などの吸い込みを軽減。
ヘルメットの代わりに:頭に巻いて簡易的な保護具として利用。


三角に折り畳んだふろしきの間にタオルを挟み、頭から被って顎の下で結んで固定する。(タオルの代わりに新聞紙でもOK)

折り畳んだタオルを頭にのせ、キッチンボウルを被る。その上から三角に折り畳んだふろしきを被り、顎の下で結んで固定する。
4. 荷物の運搬
荷物をまとめる:避難時に必要な物を包み、肩に背負ったり手に持てる形にする。
重いものの持ち運びを楽に:ふろしきで荷物をしっかり固定すれば、移動がスムーズになります。


2枚のふろしきを組み合わせて補助として使う

2枚のふろしきを組み合わせて補助として使う
5. 雨や日差しを防ぐ
簡易の雨具として:撥水タイプのふろしきを頭や肩に被せることで雨から体を守る。
日よけとして:避難所や屋外で直射日光を防ぐために使えます。



6. 簡易寝具・敷物
敷物として:自分のスペースを明確に区切る目印として。また、直接床に触れることを避け、清潔さを保つのに役立ちます。
枕の代用:衣類やタオルを包んでクッション状にすれば即席の枕になります。


7. 食事や衛生のサポート
食品を保管する:容器がない場合、食品を包んで清潔に保つ。
テーブルクロスとして:食べ物を直接置いたり、清潔さを保つ。
手拭きやタオルとして:手洗いや清掃時に利用。



8. 防犯やプライバシー保護
仕切りやカーテン代わり:避難所などでプライバシーを守るためにふろしきを仕切りとして使用。
荷物の目隠し:ふろしきで荷物を覆えば中身が見えず防犯につながります
ウエストポーチとして:貴重品を身につける。また作業道具用のポーチとしても使用できます。



9. 育児
授乳ケープ:授乳中の目隠しとして使うことで、プライバシーを守る。
抱っこ紐の代用:抱っこする際の補助として。(※滑りやすいポリエステル素材のものはNG。滑りにくく結び目がほどけにくい摩擦力の高い綿素材がおすすめです)
スタイやエプロン:食事中にふろしきを赤ちゃんの首に巻いて食べこぼし防止。
おむつ替えシート:おむつ替え時の敷物として清潔なスペースを確保。
おむつバッグ:おむつやおしり拭きをまとめて包み、バッグ代わりに。



10. 救助の補助
救助信号の表示:目立つ色のふろしきを振ったり広げたり、救助隊への視覚的な合図として活用。

11. 身だしなみを整える
ヘアキャップ:洗髪できない状態でも、ふろしきを頭に巻いてターバンやバンダナのようにすることで、髪の乱れやベタつきを隠すことができます。
エプロン:衣類の汚れを防ぐのに役立ちます。

色や柄を選ぶことで見た目もおしゃれに演出できる。


12. 水の確保や運搬
水を運ぶ容器代わりに:撥水タイプのふろしきなら水を運ぶ一時的なバケツ代わりになります。
簡易シャワー:ふろしきに溜めた水を絞って一時的なシャワーとして使えます。

ポリエステルの撥水ふろしきを使用。

ふろしきの四角をそれぞれひとつ結びにして握った時の滑り止めにすると持ちやすい。


災害時にふろしきを役立てるために普段からしておくこと
ふろしきはシンプルな布ですがその応用範囲は無限です。
災害時におけるふろしきの使い方は、サイズによって大きく異なるため、複数のサイズを準備しておくとさまざまな状況に対応でき安心感をもたらします。また、明るい色や目立つ柄ならば、視認性が高いため救助信号やサインフラグとしても使えます。災害時にふろしきを効果的に活用するためには、平時からの準備と習慣が重要です。
1.ふろしきの使い方を学ぶ
●結び方の練習:真結びや二つ結びなど、基本的な結び方を習得しておく。これにより、いざという時にスムーズに対応できます。
【真結び(まむすび)】
ふろしきの先端と先端を2回結ぶ、結び目が本体と平行になる結び方。ほどけにくくしっかりと固定でき、荷物の包みだけでなく、袋状にして持ち運ぶ、運搬時の固定などさまざまな用途に使えます。
【ひとつ結び】
ふろしきの先端を単独で結びます。結び目の位置でアレンジのバリエーションが広がります。
●包み方のバリエーションを知る:衣類、食料品、小物など、さまざまなものを包む方法を覚えておくことで、用途に応じた適切な使い方ができます。
2. ふろしきの準備と選定
●複数サイズの風呂敷を用意する:小、中、大サイズのふろしきを用意しておくと、用途に応じて使い分けができ便利です。
小サイズ(50cm前後)
食器や医薬品、携帯電話などの小物の保護。また応急処置の包帯やマスク代わりなど。
中サイズ(100cm前後)
大きな荷物や物資をまとめて運んだり、敷物や防寒具、プライバシー確保のための目隠しや即席のカーテン、応急用の三角巾など汎用性が高く多様な用途に対応。
大サイズ(150cm以上)
非常食や救援物資を一度に運ぶなど大型荷物の運搬や避難所での簡易タープ、寝袋がない場合の寝具代わりなど。
●素材の選定:撥水加工のふろしきや丈夫な素材を選ぶことで、様々な環境で役立ちます。
撥水加工されたもの:雨や汚れに強い。
→対象商品:REFRAIN Sybilla Sarahbel the timeless
綿生地
吸水性が高く丈夫。包む、敷く、応急処置に適している。
ポリエステル生地
防水性があり、軽量。雨具や汚れ防止に便利。
3. 日常での活用
●普段からふろしきを使う習慣をつける:買い物袋やランチバッグとして使用することで、自然とふろしきの扱いに慣れ、災害時にもスムーズに使えます。
●家庭での収納に活用する:ふろしきを衣類や寝具、食器や食品、雑貨やおもちゃを包んだり、旅行バッグの中の荷物の仕分けなど、収納アイテムとして使うことで普段からその便利さを体感でき、災害時にも応用が効きます。
4. 防災訓練に取り入れる
●家庭での防災訓練:災害時を想定して実際にふろしきを使って荷物をまとめる訓練をしておくと、緊急時に役立ちます。
●地域の防災イベントでの活用:地域の防災訓練やワークショップでふろしきの使い方を共有し、地域全体の防災意識を高めます。
5. 風呂敷の保管場所の確認
●すぐに取り出せる場所に保管:ふろしきを非常用持ち出し袋や防災用品と一緒に保管しておくと、緊急時にもすぐに活用できます。
●車や職場にも備えておく:ふろしきを複数個、車や職場に備えておくことで、外出先でも利用可能です。
6. 応用的な使い方を学ぶ
●応急処置の練習:ふろしきを使った応急処置(包帯や三角巾)の方法を学んでおくと、ケガの際に役立ちます。
●防寒・目隠しの準備:ふろしきを防寒具や目隠しとして使う方法を知っておくと、避難所でのプライバシー確保や寒さ対策ができます。
7. 定期的な見直しと点検
●ふろしきの状態をチェック:定期的にふろしきの状態を点検し、破れや劣化がないか確認し、必要に応じて新しいものと交換します。
【まとめ】ふろしきは、災害時に多目的に使える便利なアイテムです。普段からふろしきを使い慣れておくことで自然と応用力が高まり、いざという時にもスムーズに活用でき、困難な状況に冷静に対処する力が身につきます。家庭や職場での訓練や備えを通じて、その可能性を最大限に引き出しましょう。